建築はどこにあるの?:東京国立近代美術館

2010年5月30日
東京国立近代美術館で開催されている、
「建築はどこにあるの? 7つのインスタレーション」へ行く。
 
建築はどこにあるの?
 
ミュージアムなんかで開催されている建築系の展示に行くと、
絵画や彫刻なんかの展示とは違って、
実物展示を持ってこれない関係で、パースが飾られていたり、
○○分の一スケール・・・、という模型なんかが置かれていることが多い。
自分は建築にはうというので、
そういう抽象化されたものから何か価値を読み取ったり、
嗚呼、という大きな感動をなかなか得にくい体質ではあるのだけど、
(多分、実際のその建築物を見ていないというのが
最も大きい理由になたているのだと思う)、
そういう場所に行くと、その模型を顔の位置を縦横無尽に入れ替えたりして、
そいつのベストのファサードアングルなんかを見つけ出そうとして、
熱心に見ている人を何度も見かけたことがあります。
建築が好きな人は、本当に好きなんだなあと、いつも、うらやましく見ています。
こういううらやましさは、
日本の古い建造物、例えばお寺なんかに足を運んだときに、
柱や梁の衣装について、云々、と熱く語っている御仁を目にしたときと
同じような感覚かもしれません。
なんで、こいつ、ココまで知ってるんだ、みたいな。
  
今回の展示は、日本の名うての建築家達が、建築物ではなく、
インスタレーションにて、何かを表現しようと試みた美術展示でした。
寡聞にして自分は知らないのですが、
伊東豊雄、鈴木了二、内藤廣、アトリエ・ワン、
菊地宏、中村竜治、中山英之というの7つの名前は、
世界的にもその筋では知れ渡っている名前だとか。
会場では、7名それぞれ個性豊かな作品が展示されていて、
こういうイマジネーションな部分が、
建築という行為を支えている一つなんだなと、実感しました。
一見わかりにくいと思われるような作品も、
その前に立ってじっくりと考えてみたり、
家に帰ってふと立ち返ってみると、なんだか、妙な面白さがこみ上げたりします。

個人的には、菊地宏さんの「ある部屋の一日」という作品が好きでした。
建築というのは、いろいろな美しさがあると思うのだけど、
菊地さんの作品は、純粋にそこで生活する人の視点に立ったようなつくりで、
何気ない一日の光りの動きを追体験できるようなインスタレーションになっていて、
ほぅ、と思いました。詳しくは会場にてお楽しみに。
建築って、上を行く人ほどただ建物のつくり方だけでなく、
人間の心の動きとか、そういうものをきちんと考えることが必要なんだろうなと、
そんなことを感じました。
 
 
アトリエ・ワン「まちあわせ」
アトリエ・ワン「まちあわせ」
 
中村竜治「とうもろこし畑」
中村竜治「とうもろこし畑」
 
中山英之「草原の大きな扉」
中山英之「草原の大きな扉」
 
鈴木了二「物質試行 51 DUBHOUSE」
鈴木了二「物質試行 51 DUBHOUSE」
 
内藤廣「赤縞」
内藤廣「赤縞」
 
菊地宏「ある部屋の一日」-1
菊地宏「ある部屋の一日」-2
菊地宏「ある部屋の一日」
 
伊東豊雄「うちのうちのうち」
伊東豊雄「うちのうちのうち」
 
 
覚え書き
・会場入ってすぐ見える「とうもろこし畑」。インパクト大
・7人分もの作品があると、結構好き嫌いがはっきり出てくるかも
・菊地宏「ある部屋の一日」が個人的には良かった。
 いいと思える作品に一つ出会えるだけでも、行く価値あった
・インスタレーションも建築空間
・珍しく写真取り放題な美術展。
 写真に夢中になってしまい、二度見させていただきました
・話は変わりますが、国立近代美術館はこの展以外にも充実しているので、
 時間に余裕を持って鑑賞するのがオススメかと