銀座目利き百貨街:松屋銀座

2010年9月10日
銀座松屋で開催中、
日本デザインコミッティー企画展「銀座目利き百貨街」へ行く。
 
銀座目利き百貨街
 
銀座松屋の8階大催場において、
各界の49名の著名人が店主となり、それぞれの目利きで商品を出店し、
会場に訪れた人がそれを購入することができるという
面白そうなイベントがあったので、足を運んできました。
名前は「銀座目利き百貨街」。コミッショナーは原研哉氏。
建築家、博物学者、茶道家、デザイナー、現代美術家、編集者、
骨董店店主、脚本家、イラストレーター、評論家、造形家、キュレーター、
和紙職人、プロデューサーなどなど、店主の肩書きを上げているだけでも
何やら楽しそうな気配が漂ってきます。高い期待を持っていざ松屋へ。
 
自分が行ったのは平日ということもあって、
激しく混雑というわけではなかったけど、思ったより人が入ってた気がします。
面白いなと思ったのは、出展者それぞれに屋号が付いていること。
(「猫風子商店」「伊勢屋嘉四郎」「西野玄風舎」「杉本昭和堂」などなど)
イベントのタイトルに百貨街とありますが、
目利きの店主が集まる商店街に足を踏み入れたような気持ちになれて、
なかなか心憎い演出だなと思いました。
いろいろとお店がありましたが、個人的には
デザインの分野で活躍されている平野敬子さん出店の「アンチ民営化堂」、
放送作家や脚本家として活躍されている小山薫堂さん出店の「小山くん堂」、
この2店に強く惹かれました。
 
アンチ民営化堂では、さまざまな絵柄の切手が売られていました。
店主の目利きでコレはという美しい切手が集められていて、
それが数枚1セット単位で売られているとった具合です。
切手単体で見ると、それは誰でも入手できるものですが、
切手の選び方、あるいはどの切手とどの切手を組み合わせて1セットにするか、
そうした部分にこだわりを加えるだけで、
ずいぶんと印象とか価値(=欲しいと思わせるパワー)は変わるんだなと感心しました。
デザインは形の体裁を整えるだけでなく、
よい素材を選び抜く、見つけ出すということでもあるよな、と、再認識したり。
それと、店主の「美しき、小さき、情緒の小宇宙」というコメントが、
切手に対する愛情があってとてもいいなと思いました。
 
「小山くん堂」では、文字の量り売り、という試みが行われていました。
どういうことかというと、
小山薫堂さんは映画「おくりびと」の脚本を書かれていたそうですが、
まずは、そのときの脚本料を脚本の全文字数で割って、
文字1文字あたりの金額を算出(178.2円)したそうです。
小山くん堂での売り物は、ずばり、原稿用紙に書かれた手書きの言葉ですが、
その文字数にさきほどの文字1文字あたりの金額を掛けて、
商品の金額が決まるといった具合です。
10文字の言葉だったら、10文字×178.2円、みたいな。
手書きの言葉は、何かの映画に出てきそうな台詞のような名句のような一節で、
この言葉選びは、さすが脚本家と思わせるような面白いものばかりでした。
文字の量り売りをしようと思った動機として、
世の原稿料には曖昧な部分があるので、いつか明快な会計精神に則って言葉を売ってみたい、
というようなことをコメントされていたけど、
見事それを実現化されていたような気がします。
 
全体を通してちょっと残念だったのは、
欲しいと思った商品がほとんど売り切れていたこと。
アンチ民営化堂の商品も、小山くん堂の商品も、
自分が足を運んだときはほとんど売り切れていて買えない状態でした。残念。
他のお店で、異様にマニアックだったり、異様に高額すぎるものは残ってたりしたけれど、
それを衝動買いするのはちょっと、、、ね。
そんなわけで、
需要と供給と価格のバランスのいいものはすぐに売れるという、
資本主義の原理を学ばせていただきました。
 
 
松屋銀座
会場は松屋銀座8階大催場
 
銀座目利き百貨街の出店商品
個性豊かな出店商品が出揃ってました
 
銀座・手仕事直売所
同じフロアで開催中の「銀座・手仕事直売所」も賑わってました
 
 
覚え書き
・49のお店の屋号は、名称だけでなく、ロゴやシンボルもそれぞれ個別に作成。
 すごいこだわりだ!
・手頃な価格で欲しいと思うものは売り切れが多かったー
・商品の傾向:役に立つもの、夢ひろがるもの、視点の妙、組み合わせの妙、
 アンティークなもの、アートなもの、自分でなんとなくつくってしまったもの、
 超高級なもの、自宅においておけない処分にこまったもの など
・これだけお店が並ぶと、
 目利きがある人と目利きがない人の差が、はっきり出すぎてしまって怖い
 (お客さんのことを考えて、マジメに売る気がある人とない人の差)
・一つずつお店を見比べたとき、多種多様な商品をドバッと広げているお店よりも、
 一つのコンセプトに絞って少ない商品で勝負しているお店の方が、
 魅力的に感じた。 実店舗の場合は必ずあてはまるとは限りませんが
・「小山くん堂」で欲しいとおもった言葉(売り切れだったけど)
 ◎旅をするように東京を歩け。
 ◎美女には従え。
 ◎ぼくとキスしてください。
・ちなみに自分が見たときは、
 ◎しばらく実家に帰ります。
 ◎松屋もいいけど、三越もね。
 という言葉が売れ残ってました
・同じフロアでやってる「銀座・手仕事直売所」でも、
 なかなか面白いものが販売されてました。こちらのイベントも意外に面白いかと