これは本ではない:うらわ美術館

2010年12月23日
うらわ美術館で開催中、
「これは本ではない – ブック・アートの広がり」へ行く。
 
これは本ではない
 
さいきん電子出版云々ということで、
新聞、雑誌、書籍などの昔ながらのメディアの世界では
てんやわんやの賑やかさを呈しているようです。
そんなこともあって、これからの紙媒体はどうなっていくのだろうと、
多くの人が興味を持っているかと想いますが、
アートの世界からの一つの未来洞察ともいえるような展示が
うらわ美術館で行われているということだったので、足を運んできました。
 
うらわ美術館は「本をめぐるアート」を館の収集の柱として考えていて、
本に関するアート作品のコレクション数は1000を超えるのだそう。
今回の展示も期待通りに見応えのあるものでした。
中でも渡辺英司氏によるインスタレーション作品は圧巻の一言。
蝶の図鑑を何冊も使い、各ページに印刷されている蝶の写真を
一枚いちまい丁寧に切り抜いて、それをあたかも実物の蝶のように
ちょびっと羽を折り曲げたりして、館内のガラスの展示スペース一面をすべて使って
ずばーんっと展示しているものでしたが、百聞は一見にしかず。
今年見た数々の作品の中でもインパクトはNo.1だったかも。
図鑑の中にある情報量のスケールのはんぱなさとか、
その情報量のものが紙という物質として存在していることのすごさとか、
作品の持つメッセージ性のようなものもわかりやすくて、
今回はちょっと遠かったけど、うらわまで行ってよかったです。
他の作品も「本とは何か」というようなことに、
真っ向から挑戦しているようなものが多くて、面白かったー。
 
 
浦和駅
浦和駅を降りて。サッカーとゆるキャラ
 
浦和駅と馬
駅前にはなぜか馬2匹
 
浦和レッズのサイン
イタ飯屋の壁にはレッズのサイン
 
うらわ美術館
うらわ美術館。浦和センチュリーシティ3階にあります
 
砂の聖書
「砂の聖書」荒木高子
 
蝶瞰図-遠景
蝶瞰図-近景
「蝶瞰図」渡辺英司
 
Lighting Book
「Lighting Book」カン・アイラン
 
 
覚え書き
・うらわ美術館、ノーマークだったけどまた行きたい美術館
 「本」について考えることが好きな人は行くべきかと
・「本という経験」は、新たな地平へ以降しつつある
・いずれの聖書も穴があいていたり、ボロボロになってはいるものの、
 それが聖書であるということは判別できる。
 どんなに朽ち果てようとも、それが聖書であるという一点において、
 そこに希望を託すことができよう
 (展覧会パンフより)
・展示空間に入った時の驚きとリアリティは、
 視覚で感じる以上に鑑賞者に与えるインパクトが大きい。
 鑑賞者の多くは、夏の夜に照明を点灯した状態で窓を開放した時、
 渡辺の作品のように
 「蝶瞰図」が完成する様子を思い浮かべることができるのである。
 また作品を制作する際の、大切な図鑑の画像を切り取ってしまう行為は、
 図鑑の図を取り除いてしまうこと、
 言い換えるなら本としての本来の目的を失わせてしまう行為である。
 図を失った図鑑は単なる言葉の羅列に過ぎないのである。
 自然と言葉との結びつきを失わせてこそ成り立つこの作品は、
 図鑑で感じる以上のリアリティを鑑賞者に与えているのである
・本が発する色とりどりの光りは、人間の叡智の象徴であると同時に、
 自己を形成する希望の光ともなる。
 そのような本の光は物質や重力に囚われることなく、
 空間に解き放たれ、空間を構成し、我々を包み込むのである。
 カンの光る本には、非常にポジティブな感覚がある
 (展覧会パンフより)
・荒木高子、遠藤利克、柏原えつとむ、河口龍夫、カン・アイラン、
 長沢明、西村陽平、福本浩子、三島喜美代、村岡三郎、八木一夫、
 吉増剛造、若林奮、渡辺英司
・パンフレットがでかすぎたので、若干小さめの方が有り難かったかも
・ところで、浦和は想像以上にレッズ一色の街。
 市民総サッカー愛を感じました