女書 アート×学術の連歌:Gallery ef

2010年3月27日
浅草のGallery ef(ギャラリー エフ)で開催されている、
「女書(ニューシュ)アート×学術の連歌」へ行く。
 
女書(nushu)
 
生物の多様性が失われることの云々、という議論があるけれど、
同じような文脈で、
言語の多様性が失われるという話も耳にしたことが、もしかしたらあるかと思います。
日本語を母国語にする人達にとってはあまりピンとこないけど、
英語圏や中国圏の文化発展が、
少数民族の言語の存在を脅かし、
彼らの文化を風前の灯火とする、ということはあるようです。
 
あー、話が難しくなりましたが、言語に関するアートの話。
 
浅草のギャラリーエフという、江戸から残る蔵を改造したアートスペースで、
女書(ニューシュ)という言葉を使ったアートの展示が行われました。
ニューシュは、中国湖南省江永県というところで、
女性の方限定で数百年も受け継がれてきた言語。
2004年に最後の伝承者が亡くなり、事実上消滅しました(ここまでリーフレット参照文)。
 
会場では、そのニューシュが書かれた
手紙、扇子、手芸品などの嫁入り道具、またニューシュの詩などが飾られていました。
魂は消えても言葉は残る、というようなことが、
江戸時代の蔵を活かした薄暗い天井の低い空間に、妙にマッチしていました。
足を進めるたびに、みしみし、と鳴り響く二階床の感じもなんとも。
詩の日本語訳を読んでいると、当時の女性の方達は
今では想像できないぐらい過酷だったのだな、ひしひし、と伝わってきました。
でも辛いことばかりだけでなく、同時彼女たちは、自分たち女性だけの文字をもっていることで、
それを誇りに思っているようなことも伝わってきました。
言葉、って文化なんだなと、改めて思い直しました。
会場には中国のアーティストの方のキラキラとしたインスタレーションも
展示されてあって、
(彼女の言葉も印象に残るものだった)
とても不思議で印象的な時間を過ごすことができました。
 
gallery ef
水色の看板がギャラリーエフ。1階はおしゃれカフェも併設
 
スカイツリー途中
いきなりですが、例のモニュメントとスカイツリー途中の図
 
 
覚え書き
・祝福と哀痛が交差する両義的な世界観。書体は繊細ではかない
・常に歌の形で記される
・三朝書:娘が結婚してから3日目に送られる
 母親、めい、おば、義理の妹からのニューシュのメッセージ。生涯の宝に
・「世界規模で進んでいるグローバル化を
 砂漠化に例えるなら、
 消えゆく文化は砂漠に埋もれていく
 多様性という宝石のかけらである」by YUCA