ロベール・ドアノー展:東京都写真美術館

2012年4月21日
恵比寿の東京都写真美術館で開催、
「生誕100年記念写真展 ロベール・ドアノー」へ行く。
 
生誕100年記念写真展 ロベール・ドアノー
 
パリの雑踏で周りが目まぐるしく動く中、
男女がキスを交わした瞬間を捉えたあの有名な一枚。
もしかしたら見た記憶があるのは模倣品かもしれないけれど、
とにかくあのアングルの写真は何となく頭に残っていて、
それをきっかけに、恵比寿の東京都写真美術館で行われている
ロベール・ドアノーの企画展に行ってきました。
 
写真を見るときに「決定的瞬間」という考え方がありますが、
ドアノーはまさしく、そんな感じの写真を撮る人で、
前後の文脈がわからなくても、これはスゴイ、と思わせる
力のある作品をたくさん会場で目にすることができました。
自然に湧き出た瞬間だけでなく、
ときには恣意的に作り出した瞬間もあるそうですが、
モチーフの組み合わせとか、
洗練されたアングルの中にちょっとした崩しのポイントがあったりとか、
それと、ユーモアの入り具合にエスプリを感じさせて、
なかなかやり手です。こういう写真をいっぱい撮れると、
カメラ持つのが楽しいに違いないと、想像されます。
 
ドアノーは雑誌でも写真を撮っていたそうです。
テレビもネットもない当時は、
恐らく雑誌の写真というのは、メディアの花形。
今の雑誌写真ではちょっと不得手な部分、
例えば、万人を楽しませる大衆娯楽性とか、
時代の先頭を牽引するエネルギー、そんなものを感じました。
多種多様にメディアがあるわけではないけれど、
こういう面白い一発写真が毎号載っている雑誌があり、
それが聴衆の一番の話題になるという時代
(日本風に言うと、巨人、大鵬、卵焼き、
で大盛り上がりできるみたいな、勿論、良い意味で)、
現代とはまた違った読者とメディアの
コミュニケーションの形があったのかなと。
 
 
ロベール・ドアノーのキスの写真
1950年「パリ市庁舎前のキス」
 
レイモン・サヴィニャック
1950年「チェスをするレイモン・サヴィニャック(ポスター作家)」
 
エディット・ピアフ
1956年「オランピア劇場のエディット・ピアフ(歌手)」
 
モーリス・バケ
1957年「雨の中のチェロ」
 
こどもの写真1
1935年「初めての先生、パリ」
 
子どもの写真2
1964年「無遠慮なハト」
 
 
 
覚え書き
・「生来の自由な精神と、“イメージの釣り人”とも評される類いまれな洞察力で、
 日常の小さなドラマを捉え、写真史上に大きな足跡を残した」
・久しぶりに図録購入
・イメージの釣り人 → 待つことで得られる奇跡の瞬間
・「自分は芸術家ではない」
・石版工のディプロマを取得
・ロベール・ジロー
・「正面から見るのは挑発と同じだ。
 ローライ・フレックスの、なんと礼儀正しく、慎み深いことか」
・モノクロだから刺激される想像力
・モノクロ写真とカラー写真の間にあるものは
・引きアングルだから見えること、モチーフ同士の関係性がワイドに
・「ウォーグ」誌のミシェル・ド・ブルンに請われ、一時期同誌の専属カメラマンに
・1946-56「ル・ポワン」誌のポートレイト。
 主催のピエール・ベッツは、編集、アートディレクション、広告宣伝、
 梱包、発送、製本の責任までこなす達人だった
 →写真の新しい可能性を追求するたぐいまれな“遊び場”として
・チェロと暗箱のためのバラード
 モーリス・バケ(チェリスト、スキーヤー、登山家、俳優)との“写真遊技”