谷川俊太郎×山田馨「詩では言えなかったこと」:紀伊國屋サザンシアター

2010年7月3日
紀伊國屋サザンシアターで行われたイベント、
谷川俊太郎×山田馨「詩では言えなかったこと」に行く。
 
谷川俊太郎×山田馨「詩では言えなかったこと」
 
ナナロク社という版元から、
「ぼくはこうやって詩を書いてきたー谷川俊太郎、詩と人生を語るー」
という書籍が刊行され、その刊行記念で行われたのが
今回のこのイベントでした。
谷川俊太郎は教科書でもお馴染みの、まさに生きるレジェンド。
日本の国民詩人をぜひとも生で見たいと思い、
新宿は紀伊國屋サザンシアターに行ってきました。
会場は他の書店のイベント会場と比べてもかなり広びろとしたところ。
演劇なんかも行われているようですね。
生の谷川俊太郎は、とても元気ではきはきしていて、
カツゼツも立派で、Tシャツ姿も様になっていて、
1931年生まれの79歳ほどのお方には見えませんでした。
いやー、本当に若わかしい。
 
谷川さんともう一人、山田馨という人が壇上に上がって
対談のような形式でイベントは進みました。
山田氏の方はもともと岩波書店で編集をやっていたそうですが、
このお二人、とにもかくにも仲よしこよしであることが伝わってきました。
書籍がつくられるきっかけも、
毎回飲むための口実が欲しかったから、とのこと。
飲みの場で語り合った内容が、本のベースになっているそうです。
でも案外、こういう肩の力を抜いた方がいい本ができたりするんですよね。
この山田氏からは、ざっくばらんなつっこみが谷川さんに入ってました。
「谷川さんは幼児性が強い」
「谷川さんの退屈力には叶わない」
などなど、ウィットに富んだコメントが面白かったです。
 
さきほどカツゼツの話がありましたが、
谷川さんによる自らの詩の朗読も何編か行われました。
最後の質問コーナーでも言ってましたが、
詩人ゆえに、発せられる言葉の正確さにはこだわっているようで、
さすがだなあと思いました。言葉ってのは、基本は音声だなあと。
そのほかにも詩人ならではの視点で、
言葉についての考え、意見などをたくさん語ってました。
言葉のアーティストとして、第一線で
何十年もの間活躍されている方だけあって、
どれも説得力のあるものばかり。貴重な体験になりました。
 
そんなこんなで、
トーク会場の雰囲気は終始なごやかでした。
お客様の笑い声もよく聞こえてきました。
実際の本づくりもこんな感じで進んでいたのでしょうかね。
これは会場に行った方だけのお楽しみですが、
中国では読めないであろう「なんでも○○○」の朗読は大痛快。大喝采。
山田氏の言葉を拝借すると、
「よくぞかいてくれた!」「よくぞよんでくれた!」(笑)。
 
 
紀伊國屋サザンホール
紀伊國屋サザンホールの様子
 
谷川俊太郎と山田馨
谷川俊太郎と山田馨。お二人は本当に仲良しこよし
 
 
覚え書き
 
・谷川さん。グレーのTシャツにチノパン、オシャレ。若いっ
・ゲーテは80歳で18歳の女の子と付き合っていた
・「できちゃった本」「できちゃった詩」
・僕の詩は、言葉ではなく、自然と音楽からきている
・ある調べができてから、詩が生まれる
・完全に心をからっぽにするのは、すごく難しいこと。
 そこから待っていると、言葉は出てくる
・出版記念パーティは一度も開いたことがない
・権威への反感、無名性への憧れ
・詩型がコロコロ変わるのは読者を飽きさせないように。
 寺山修司もそんなところがあった
・伝えるためよりも、そこに美しい日本語を置く、存在させる。
 目に見える彫刻のように
・ある段階で他人の目で見る必要
・姿勢を良くする、滑舌を良くする。ニュートラルに声に出す。
 書く詩だけでなく、音に出すときも日本語を大切にする